39.リーダーシップからの学び(2) 新人育成の指導者が、チーム育成からリーダーシップの機会を学ぶ!

最近、管理者や課長、係長、リーダーと個別面談をする機会が多くなりました。面談して感じる事は、

役職であるリーダーとしての存在はあるものの、その役職が必要とする役割としてのリーダーシップが、具体的に何であるのかがわからない役職者が多いことに驚きを隠せない私がいます。

リーダーシップが発揮されていない、発揮できていない、いわんやリーダーシップの概念自体がわかっていない役職者が多い事を痛感しています。皆様の法人施設はいかがでしょうか。



リーダーシップからの学び(2)のこのエッセイで私が言いたいことは、引用文の最後で書かれている『メンバーとして,平のときから自ら考え続けていなくては,リーダーシップがあって当然という立場になったとき,リーダーシップがないことが目立つことになるだけなのである。』、すなわち、リーダーシップは、役職者だけの仕事ではなく、リーダーシップが必要となったとき、平でも自分自身が自ら行うことであることが、自然と職員に培われている組織風土を法人施設が作ることが大切な仕事ではないかということです。

今回、その組織風土を作る一つの方策として、新人育成に伴う弊社の「チーム育成相関図」をこのリーダーシップを学ぶための一つの事例として考えていただきたいのです。

エッセイ「35.チーム育成の重要性について学ぶ」では、新人育成におけるチーム育成について考えてみました。指導者は、常時、新人と一緒シフトに入れるわけではありません。そのため、指導者は、チームの職員に新人指導を依頼する力(お願いする力)が必要で、この依頼する力があるかないかが、新人育成に大きな影響を与えることになると書かせていただきました。

依頼する力は、下図で①になります。
チーム育成相関図 新人育成を通して職場のチーム向上を図る
①で依頼することによって、
②でチーム職員が新人を指導承認
③で指導承認したことを指導者に報告
④で③の内容を含めて新人の指導承認

この依頼する力を別の表現に変えると、指導者が新人を育成するという役割をどれだけ自分の役割として受け止め真剣に考えているかと言い換えることができます。

また、この自分の役割として受け止め真剣に考えているかを別の言葉に言いかえると、「指導者としてのリーダーシップ」が発揮されるかどうかという表現に変えることができます。

では、「指導者としてのリーダーシップ」とは何かについて、次ページ以降「高沢公信先生」の引用文から学んでみます。

以下 高沢公信氏のホームページから引用文です。http://ppnetwork.c.ooco.jp/


リーダーシップとは何か


まず,リーダーシップにある3つの常識,
  1. リーダーシップはトップのものである,
  2. リーダーシップはパーソナリティである,
  3. リーダーシップは対人影響力である,
を点検し直してみる必要がある。リーダーシップとは,トップに限らず組織成員すべてが,いま自分が何かをしなければならないと思ったとき,みずからの旗を掲げ,周囲に働きかけていくことでなくてはならない。その旗が上位者を含めた組織成員に共有化され,組織全体を動かしたとき,その旗は組織の旗になるのであり,リーダーシップにふさわしい地位や立場があるわけではない,ましてやリーダーシップにふさわしいパーソナリティがあるわけではないのである。でなければ,だれも,人を動かせない。このままではいけない,何とかしなくてはならないという思いがひとり自分だけのものではないと確信し,それが組織成員のものとなりさえすれば,リーダーシップである,と考えるところから,リーダーシップを詰めて行かなくては意味がない。

そこに必要なのは,自分自身への確信である。それは自分を動かすものだ。それが人を動かす。リーダーシップは他人への影響力である前に,自分への影響力である。「お前がやらなくて誰がやるのか」「自分がやるしかない」と,みずからを当事者として動かせるものが,自分の中になければ,人は動かない。それが旗の意味であり,旗の実現効果であり,そこに共に夢を見られることだ。だから,リーダーシップには,新たな3つの常識が必要となる。

①周囲を巻き込める夢の旗を掲げられること,
②夢の実現プランニングを設計できること,
③現実と夢とを秤にかけるクリティカルさがあること
である。「こうすべきだ」だけでは人は乗らない。それが単なる夢物語でも人は乗らない。夢と現実味をかね合わせて,絶えず点検していける精神こそが,求められるリーダーシップである。それは,パーソナリティでも地位でもパワーでもなく,スキルであることを意味している。

だから,リーダーとリーダーシップは区別したい。リーダーは,役割行動であり,リーダーシップはポジションに関係なく,その問題やタスクを解決するために必要と考えたら,自らが買って出る,あるいは誰かの委託を受けて,その解決に必要な周囲の人々を巻き込み,引っ張っていくことである。多く,リーダーとリーダーシップを混同している。つまり,トップにはトップの,平には平のリーダーシップが求められる。リーダーシップはその人の役割遂行に応じて,必要な手段なのである。職位が上のほうに行けばいくほど,リーダーシップがないことが目立ち,下へ行くほど,リーダーシップがあることが目立つ。上に行けばいくほど,リーダーシップを発揮しやすい条件と裁量を与えられているから,あるのが当たり前だから,ないことが目立つのである。

リーダーシップが,トップや上位者にのみ求められているというのは勘違いである。職位が上のほうに行けばいくほど,リーダーシップがないことが目立ち,下へ行くほど,リーダーシップがあることが目立つ。上に行けばいくほど,リーダーシップを発揮しやすい条件と裁量を与えられているから,あるのが当たり前だから,ないことが目立つのである。トップにはトップのリーダーシップか求められるのであり,平には平のリーダーシップが求められる。常識とは異なり,リーダーシップはその人の役割遂行に必要な手段に過ぎない。 つまり,リーダーシップには,

  • 役割としてのリーダーシップ(リーダーのリーダーシップ)
  • 個人としてのリーダーシップ(メンバーのリーダーシップ)
の二つがあり,立場が異なろうとも,いずれにも共通して言えることは,必要なのは,その人が自分の役割を責任を持って達成しようとするとき,自分の裁量内でやっている限り,その仕事は完結しないということである。そのとき,自分の裁量を超えて,人に働きかけ,巻き込んででも,それを達成しなくてはならないときがくる。それが結果としてリーダーシップであるに過ぎない。必要なのは,自分は何をするためにそこにいるのか,そのために何をしなくてはならないのかを,自分の頭で考えられるかどうかだ。それを仕事の旗と呼ぶ。それは ,メンバーとして,平のときから自ら考え続けていなくては,リーダーシップがあって当然という立場になったとき,リーダーシップがないことが目立つことになるだけなのである。

以上。

いかがだったでしょうか。1回読んだだけでは、自分に落とし込むことができない文章です。何回か、読むことをお勧めします。この内容は、トップも管理職も、そして各段階のリーダーも、そして新人育成の指導者、職員も学べる文章かと思います。

冒頭のチーム育成に対しての課題である「指導者がリーダーシップを発揮する(仕事の旗を持つ)」ためには、組織として指導者への動機づけ(何のため)の仕組み・仕掛けが必要なのだろうと考える私がいます。それが、組織風土を作る大事な仕掛けです。

一つの事例として新人育成の「チーム育成相関図」を引き合いに出しました。新人の指導者が新人を育成するために、シフトが合わない現実を受け入れて、ではどうしたらいいのか考える事から始まります。大事なことは現実を受入る、そしてどうすかを考える力がリーダーシップを生み出します。

この事は、指導者自身で生み出せる人は2割(根拠ありません。汗)もいないかと思います。この動機づけをする仕掛けがあってはじめてリーダーシップの概念がわかってきます。これが法人施設の仕事と思う私がいます。



・・・少しでもお役に立てれば幸いです。

 





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