45.「成長する組織」への挑戦-3

私のエッセイにいつも適切なコメントを発信してくれるK様から

成長する組織でありたいと思うのは常ですが、成長したくない、このままでいいというスタッフも多く、そこをいかにぶち壊すかです。」というメールを頂きました。

いつも考える機会を頂けるコメント、うれしい限りです。ありがとうございます。

私も成長する組織とは「何か」、そして成長とは「何か」をいつも考えています。
ピーエムシーの経営理念が「成長をともに歩む」ですから。いたしかありません・・・。

介護の新人職員育成において新人や指導者が感じる成長とは
  • 食事介助ができるようになった
  • 利用者さんとコミュニケーションがとれるようになった
  • 職員の方に分からないことを聞けるようになった
  • 1人で仕事ができるようになった
  • 新人の指導ができるようになった
  • チームの人に新人育成を具体的にお願いできるようになった
  • 上司に新人の成長に関する報連相ができるようになった

新人育成など具体的な目標がある時は、職員は成長感や自己肯定感を持つことは容易にできますが、日々忙しく介護の仕事についている人に、同じ様に成長感や自己肯定感を持つことを期待することが難しいのが現実です。


さて、仕事においての成長とは
  • 仕事を覚えること
  • 結果を出せるようになること
  • スキルアップすること
  • チームで仕事を進められるようになること
  • 良好な人間関係を築ける人間になること
  • 常に冷静な状態でいられること
  • 人に仕事を頼めるようになること
  • 前年の実績を超えること
  • 難しいプロジェクトに挑戦できるようになること
  • 多様な知識が身につき、視野が広がること
  • 限界を超えられること
上司は職員に上記成長を含めたいろいろな成長を期待します。そして、組織は、経営理念を含めた「あるべきケア」を目指した「組織の成長」を続けるために、いろいろな研修やイベントを図って職員に動機づけしていますが、どうも前向きになれない、やる気を感じない職員がいることもあり、一つの大きなベクトルに載せきることができなく、組織の成長感を感じられないのも事実です。

これが多くの組織が持つ悩みの一つです。

前のエッセイで「パレットの2:6:2の法則」で、組織には「優秀な人割」「普通の人割」「パッとしない人割」の方がいるが、介護の社会は、根拠はないですが「優秀な人割」「普通の人割」「パッとしない人割」の配分ではないかと書きました。

介護の社会、この「普通の人7割」をいかに前向きにしていくことができるかが「組織の成長」への大きな鍵であると私個人は思っています。ここが、kさんが言われる「成長したくない、このままでいいというスタッフも多く、そこをいかにぶち壊すかです。」に繋がる事と思っています。

「優秀な人割」「普通の人割」で合計8割の方が、一つのベクトルに向いた時、「パッとしない人割」が、組織から出ていくのか、自己変容(とても難しい事ですが・・)をしていくかのどちらかになると思います。

この「普通の人7割」を前向きにするためにやるべき事はたくさんあります。ピーエムシーは、前のエッセイで下図「多様な介護スタッフのキャリア形成を支援する研修計画」を示しています。この仕組み作りから職員への関わりを広めていくことを提案しています。





ここで、「高沢公信先生」の引用から「やる気」について学びたいと思います。

先ほどの「普通の人7割」の人の中に、下表に示されている「やる気がないように見える人」が多くいる様に思われます。
皆様はどう思われますか?




“どうすれば部下はやる気になるのか【1】”. 能力開発Planning
http://ppnetwork.c.ooco.jp/view67.htm#                                 赤文字は追記


それって本当にやる気の問題なの?

一見やる気がないように見えるときも,事実なのか,こちらの先入観なのかを確かめる必要がある。

まずは,いま当該の部下に起きていることは何なのかを,正確につかまなくてはならない。やる気がないを前提に,なぜやる気がないのか(原因探求),どうしたらいいのか(手段検討),と対応するのは,やる気の問題でなければ,的外れになる。やる気がないとみえたときでも,背後を推測してみると,さまざまことが想定でき,一筋縄ではゆかないのである。


“高沢公信Critique Back Number 65”.http://ppnetwork.c.ooco.jp/view67.htm#

第一に,本当に本人のやる気の問題なのかどうかである。上司が,やる気がないと判断しているのは,自分の期待している仕事の仕方,仕事への取り組み姿勢,仕事の遂行能力ができていないからだが,部下には一杯一杯だけなのかもしれないし,これで十分やっているつもりなのかもしれない。それは,上司の期待が相手との間ですりあわされていないことを意味する。

第二は,仮にやる気がないとしても,それが本人だけの問題なのかどうかである。本人にはやる気があっても,それを果たす知識やスキルが欠けていたのかもしれない,聞きたくても,周囲は自分の仕事で精一杯で声をかけられない状況かもしれない,上司や同僚との関係に悩んでいるのかもしれない等々,そうなった別の理由があるかもしれないのである。とすると,それは上司が部下の見積もりを誤ったことからきているのである。

以上 引用まで。


皆様、いかがでしたか?
ご自分が感じている職員を例にとって考えてみてください。

実は、この9月に新人職員育成100日プログラムの90日目の新人面談で、この表を使って新人の指導を行いました。

50日目面談で、どうもこの新人から「やる気」を感じることができない私がいました。
悶々とした中で、90日目の面談の時に、新人に「大変申し訳ないですが、実は、○○さんから、やる気が見えない私がいます。ついては、この表を見て○○さんは、どこに当てはまるか教えてください」とお願いしました。

結果、本人から、やる気がないように見える →やる気がある →やる気があるのにそう見えない  →意欲があまり表面に出ない。との話が出てきました。

それから、新人とその事を含めて話が深まり、新人が持っていた「やる気」に繋がる言葉がどんどんと出てきました。新人からの100日プログラム最終報告は、全ての項目に自己成長したA評価をつけてきました。

関わるファシリーテ―ターが先入観を持ってしまうと、関わる職員が持っている力を殺してしまう事例としての教訓でした。

また、ます。

リーダー育成で、そういう事ができる力をリーダーに身につけてもらう事も、Kさんが言っているそこをいかにぶち壊すか」に繋がっていくのだと思います。







 

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