2025年度の介護人材不足は、全国で34万人、新潟で4千人です。下記に厚生労働省が公表した内容を抜粋して添付しました。
厚生労働省 報道発表資料 平成30年5月21日資料
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厚生労働省 報道発表資料 平成30年5月21日 添付資料[別紙5]より抜粋
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厚生労働省 報道発表資料 平成30年5月21日 添付資料[別紙4]
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2015年度公表の介護人材38万人不足が、2018年度公表で34万人になったことについては、新潟日報の5月25日記事で、サービス量の減の影響と書かれていました。つまり、確保が少しでも進んでいたのではなく、仕事を減らしたことで介護人材の需要が減ったということです。
別紙4の国が掲げている「総合的介護人材確保対策(主な取組)」で、今後、更に講じる主な対策を見て、皆様はいかがお思いでしょうか。「ウーン」「これでは・・・」「消費税10%での処遇改善を期待?」と、国の施策での介護人材確保は難しいと感じるのは私だけでしょうか。国は、2021年の介護報酬改定で、サービス量を更に大きく減らすことで介護人材の需要を減らすことも視野に入れているのかと思う私がいます。
国の施策としての人材確保を期待することは難しいといっても、事業を継続し質の高いサービスを提供することが、管理者(施設長)の仕事です。
新潟県だけの数字を見ると、2020年度は42,103人の需要で、供給は40,274人、1,829人4.3%の不足です(50人の施設で2人の不足)。2025年度は44,360人の需要で、供給は40,387人、3,973人9%の不足です(50人の施設で4.5人の不足)。皆様が、この数字をどうとらえていくかが大きな経営的な判断だと思います。
将来を見据えておられる管理者であれば、「この数字ならなんとかなる! なんとかする!」と思うことができる数字ではないでしょうか。2025年まで7年あります。ピーエムシーが前のエッセイで書いた下図の「質と量の好循環」を思い出してください。
人材の確保は、人材の育成からはじまります。働きやすい職場づくりが、人を集めます。2025年までには、十分な時間があります!自施設を「質と量の好循環」にすることで、2025年度の不足をゼロにすることは可能です。一つは少数先鋭体質、一つは働きやすい職場へと職場改善を行い、求職者の応募が増える施設とすることです。
なぜ、このリーダー育成を重要視するかは、前のぶブログで下記のように書いています。
『人材確保専門委員会の調査では、リーダーは階層別研修で学んではいるが、振り返る場がなく、またチームメンバーへの落とし込みがないため、介護職の統合力や人材育成力などの能力が求められているものの、十分に発揮できていないとしています。』
『同じ施設であってもユニット(フロア)間のノウハウやちょっとした工夫、改善方 法等の情報を共有し、それを元に積極的に討議し、自己の職場の改善につなげるという仕組みや風土が醸成されておらず、管理者やリーダー個々のスキルに左右されている。そして、なすべき業務(作業)手順、責任範囲等が明確にされていないため、職員一人ひとりの役割分担や連携が不十分になっている。』
人材育成は、いろいろあります。
ピーエムシーは、この「リーダー育成」と「新人・指導者育成」、お互いを認め合う施設職員の雰囲気を作る「全員研修」に力を入れています。
2020年、2025年という先の話よりも、今現在の人手不足感を強く感じる昨今でもあります。そして、求めている能力にはほど遠い人材でも、人手不足から多様な人材として受け入れているのが現実です。「質と量」どちらも厳しい現実として、現場運営にのしかかってきていますが、人材育成を継続していくという力強い意志があれば、必ず「質と量の好循環」が生まれると信じて「人材育成」を実行してもらいたいです。
新人職員育成100日プログラムを継続して7年たつ法人さんの事例です。
本当に、「えー」と思う新人さんたちを受入れて育成しています。
辞めていません。
指導者も最初は、「えー」という方たちでした。
育ってきています。
辞めていません。
リーダーさんも、最初は「えー」という人たちでした。
今、育ってきています。
この法人さんは、地域の特殊性からの人手不足で、厳しい人員配置ですが、この6月から全職員でユマニチュードを取り組むとのことで、この6月にキックオフの「全員研修」をしてきます。そして、今年は嬉しいことに100日プログラムは7組の実施です。「質と量の好循環」へと動いています。
簡単な事ではないけど、この厳しい時代の中、良い職場づくりをしていくのは管理者自身の信念なのかもしれませんね。
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