49.振返り

エッセイをはじめて1年が経ちます。
今まで書いたエッセイの中で私が好きな言葉、考え方や図などを整理してみました。皆様の何かしらのヒントになれば幸いです。


1.私が好きな言葉    [ピーエムシーの考え方]
 
介護の社会での「個人の成長」は、個人の努力だけで期待することは難しい、「職場の成長」「組織の成長」ができる仕組みがあって、はじめて「個人の成長」が促される。言い換えれば、職場に職場・組織を「成長させる風土」があるかどうかで「個人の成長」は大きく影響を受ける。



2.私の好きな「成長を考えるヒント」

村山昇 コラム「成長とは何か」を自分の言葉で定義せよ 知見録.https://globis.jp/article/1079

成長とは、「長けた仕事」を超え、「豊かな仕事」をするようになることである。

成長には、「技術的な成長」と「精神的な成長」がある。技術的な成長は、いわば「長けた仕事」を生み出す。技術的な成長の観点では、ものごとの処理の「巧拙(上手か/下手か)」が問題になる。だが、人は技術的な成長だけではほんとうに次元の高い仕事はできない。もう一方の精神的な成長が不可欠なのだ。

その点をピーター・ドラッカーは次のように書く───
「指揮者に勧められて、客席から演奏を聴いたクラリネット奏者がいる。そのとき彼は、初めて音楽を聴いた。その後は上手に吹くことを超えて、音楽を創造するようになった。
これが成長である。仕事のやり方を変えたのではない。意味を加えたのだった」

精神的成長で問題になるのは「意味」である。意味を見出したときに、その仕事人は「長けた仕事」を超え、その人でなければ創造できない「豊かな仕事」を生み出す。

https://globis.jp/article/1079

精神的な成長を得ている人は、仕事に対し気分的な「楽しい」ではなく、意志的な「楽しい」になっているので、多少のしんどさや苦労に耐える粘りを持つことができる。つまり、「しんどいけど、楽しい」「厳しいけど、やりがいがある」という意識で仕事に向かえるのだ。




3.私の好きな図 [キャリアをつくる要素]

村山昇 キャリアをつくる4要素=3層+1軸 『働くこと原理』”.http://careerscape.lekumo.biz/genron/2013/09/post-74e4.html

http://careerscape.lekumo.biz/genron/

今までの介護の社会での人材育成は、上図①の知識・技術・資格、②の行動特性(リーダーシップ、マネジメント、ストレス等)・態度(コミュケーション、マナー等)に関する『HOW(手段)』の研修が主体で、③のマインド・価値観である「WHY(意義づけ)」と④の夢・志/目標/業務ミッション/理想イメージである「WHAT(目標・目的)」の研修は少なく、認知症介護実践リーダー研修、ユニットリーダー研修等で行われていますが、あくまでこの研修に参加した職員の学びが主体で、職場や他のリーダー等に共有し展開されることが難しいのが現状です。つまり、『個人の成長』だけになっています。



4.私が好きな言葉    [ピーエムシーの考え方]

「現場の管理力が弱い」ではなく、「現場の支援力が弱い」で、管理者(施設長)は、より職員との関わりを増やして欲しいのです。職員を管理するのでなく、支援するという気持ちで、現場で職員に関わる(面倒を見る)という意識変革ができれば、人を育てることができます。




5.私が好きな言葉 [職場学習論 仕事の学びを科学する] 

中原淳.職場学習論.東京大学出版会,2010200p

職場において、人は、様々な人々から、様々な支援を受けて成長し一人前になる。この事に対して異論を差し込む人は少ない。しかし、問いをより一歩具体的に進め、「人は、どういった支援を受けて成長するのか」、はたまた。「どういう特徴を持った職場であったら、人々は助け合い、かかわりあいを持とうとするのか」ということになると、わたしたちは、この問題に関して知っていることは、あまり多くないことに気付かされる。本書で筆者が探究したいことは、まさにこれである。筆者は、本書で、これまで、いわば「ブラックボックス」と化していた「職場における人々の学習」にアプローチすることを試みたい。具体的には「人は、職場で、どのように他者とかかわり、どのように成長を遂げるのか」、また、「人が成長する職場というものは、どのような組織的特徴を持っているのか」について実証的に探究をしたい。

※ ピーエムシーは、この「職場学習論」を介護の職場で実証的に探究しています。




6.私が好きな考え方 [観をつくる]


https://www.hrpro.co.jp/agora/4061

 
 以下はピーエムシーの考え方です。

 上記「観をつくる」は、抽象化から始まり、概念化そして具体化、行動展開して気づき、新たな抽象化へ つまり経験学習のPDCAの繰り返しです。しかしながら、介護現場はこの事ができていない、できない現実があります。

 この経験学習理論を知らなくても、この理論を踏まえた教育は介護現場でいままでにも行われてきており(事例検討など)それが人員不足で出来る機会が減ってきたという現状があると思います。

 いままで介護現場で行われきた事例検討も、よほど力のある人がファシリテーターとしてかかわらない限り「概念化(教訓化)」ができず、中途半端に終わってしまっていたのではないかと思います。だから効果もあまりでなくて、効果ないから研修やめてもいいかもね、となってしまったのかもしれません。

 新人教育だけでなく、事故発生時の要因分析とか、人事考課の目標達成度評価とか、概念化を学ぶチャンスは普通の業務の中にあるんだけど忙しいという理由でそこが出来ていないのだと思います。

 職場は、この図「観をつくる:=経験学習論」の考え方を実践で行われ続けていくことが、リーダーが新たな事を自分の力で観る視点が醸成され、リーダーは『思考(視点)を変える、人の意見を聴く、活かす』ことができ、「組織の成長」「職場の成長」「個人の成長」に繋がり組織変革がはじまる事ができると考えます。

組織変革は、職員1人が変わることでなく、組織として『思考(視点)を変え、人の話を聴き、活かす』 ことができる人材を開発する仕組みを創ることが重要であり、開発した人材がいかに職場、組織、個人の成長にどう繋げるかが大きな課題であり使命だと私は思います。




7.私が好きな考え方 [キャリア形成研修支援図]  [ピーエムシーの考え方]

施設単位での人材育成の仕組みです。

①は全員参加型研修 ②はリーダー研修 ③は新人育成





 8.私が好きな理論図 [SL理論

 松山淳.SL理論(状況対応型リーダーシップ)

 リーダーシップのコンティンジェンシー理論の1つ。唯一最適なリーダーシップ・スタイルは存在せず、有効なリーダーシップ・スタイル(新人育成部下(新人)の成熟度などの状況要因に応じて変わるとする考え方です。



※ SL理論での「援助」を「支援」に切り替えています



9.私が好きな図 [新人育成SL理論 3タイプ  [ピーエムシーの考え方]

 介護現場の現実は、本来あるべきS1~S4の指導が行われていない事が大きな課題です。


1.12か月タイプ         2.6か月タイプ         3.3か月タイプ




 10.私が好きな図 [「ひとりだち」と「一人前」]  [ピーエムシーの考え方]

 介護現場の多くの職員は「一人前」になれなく「ひとりだち」のままです。その大きな要因は、SL理論の本来あるべき育成が行われていないことです。




 多くの介護事業所では、夜勤が一人でできシフト上1人工になった段階で「ひとりだち」と言われているようです。「ひとりだち」に向けての新人育成は概ね36ヶ月を目途にしているとことが多く、新人がシフト上1人工の「ひとりだち」になった段階から、新人への関わりが急激に少なくなり、体系的継続的な新人育成が何となく終了しているようです。

また、具体的な「ひとりだち」「一人前」の定義が明確化されていない事から、関わる指導者や上司も新人を「ひとりだち」から、ある日突然と定義のない「一人前(何となくできる」扱いにしていませんでしょうか?

そして1年が過ぎ、法人の「初任者研修」「2年目研修」等の階層別研修を実施することで不安・不満を持ったままの「一人前(現任者)」になり、そのまま時間が経過することで、組織の中で不安や悩みを持ったままの中堅職員になっているのではないでしょうか?




 11.私が好きな図 [新人職員育成 負のスパイラル]  [ピーエムシーの考え方]

 「一人前」でない指導者が、新人育成を上手くできないと、新人も「一人前」の成長過程に乗れなく、数年後、「一人前」になれないままの指導者として新人を育ててしまう。という負のスパイラルが発生するという考え方を表しています。



  

12.私が好きな図 [質と量の好循環]    [ピーエムシーの考え方]





13.私が好きな統計図 [やる気確認図]

“どうすれば部下はやる気になるのか【1】”. 能力開発Planninghttp://ppnetwork.c.ooco.jp/view67.htm#




14.私が好きな図 [リーダー同士で話し合う場

介護職のグループのリーダーが、他のリーダー〈他者〉と共に現実とあるべきケアの姿のギャップ〈課題〉に対して改善意識を持って、挑戦することができる仕組みが「組織を変革」する「組織風土」を生み出します。




15.私が好きな図 [チーム育成相関図]    [ピーエムシーの考え方]

新人や指導者を育成するには「チームでの育成」が必要であるとして「チーム育成図」を体系化しました。介護社会の新人指導者は夜勤を含めたシフトに入っていることもあり、指導者1人では新人を育成することはできません。受入チームの支援があってこそ、新人育成も指導者自身の成長も見込まれます。






16.私が好きな図 [介護人材キャリアパス全体図]
 
厚生労働省 第6回社会保障審議会福祉部会 平成28105日資料


17.私が好きな考え方
 “村山昇 コラム「成長とは何か」を自分の言葉で定義せよ”. 知見録.https://globis.jp/article/1079

成長を考えるヒント2
成長とは、リスクを負って殻を破ったときに得られる収穫物である。
日本の伝統芸能の世界では「守・破・離」という言葉が使われる。その道を究めるための成長段階を表したものである。
「守」:
師からの教えを忠実に学び、型や作法、知識の基本を習得する第一段階。「修」の字を置く場合もある。
「破」:
経験と鍛錬を重ね、師の教えを土台としながらも、それを打ち破るように自分なりの真意を会得する第二段階。
「離」:
これまで教わった型や知識にいっさいとらわれることなく、思うがままに至芸の境地に飛躍する第三段階。


これを「枠をめぐる3種類の人間」として、現代風に焼き直したものが次図である。


村山昇 https://globis.jp/article/1079
1番目に『枠の中の「優秀者」』
2番目に『枠を変える「変革者」』
3番目に『新たな枠をつくる「創造者」』
後にいくほど難度・リスク度は高くなり、その分、成長度も大きくなる。
あなたは、そして、あなたの組織は、どのレベルで満足しているだろうか?───と自問してほしい。

組織変革は、『枠を変える「変革者」』から始まります!



18.私が好きな考え方
“村山昇 コラム「成長とは何か」を自分の言葉で定義せよ”. 知見録.https://globis.jp/article/1079

成長を考えるヒント3
挑戦して失敗することも立派な成長である。
成功の反意語は失敗ではない。「挑戦しなかった」ことである。
何かに挑戦する。その時点で、あなたは成長を手に入れている。成功すればもちろん技術の習得や経験知、自信、人とのつながりなどを得ることができたはずだし、仮に失敗したとしても、やはり経験知を得ている。発明王トーマス・エジソンがこう言い切ったように───「私は失敗したことがない。うまくいかない1万通りの方法を見つけたのだ」。

村山昇 https://globis.jp/article/1079
成功するにせよ、失敗するにせよ、いったん挑戦すれば、いろいろなものが内的資産として貯まる。そこには同時に次の挑戦の「種」が宿される。そしてまた挑戦に向かう。すると、また新しい内的資産が貯まり、次の「種」が宿される。そしてまた挑戦する……この繰り返しが、成長という名の「勇者の上り階段」となる。



挑戦は、成長を約束する。
成功の反意語は失敗ではない。「挑戦しなかったこと」である。


挑戦者は、成長を約束されます!






 

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