50.自己肯定感についての学び-1 自分の生き方に苦しんでいる人の深層心理

今回のエッセイでは、現場のリーダーや管理者が悩まれる「難しい職員」の具体的な行動について


いろいろな引用を通じての事例から学び、自己肯定感について深めてみます。


私は、キャリアコンサルタントという資格を持って、キャリアに関する課題達成や問題解決を自主的に図れるよう面談者の適性、能力、経験、価値観などを洗い出し、キャリアに関する悩みや迷いを解決に導くための援助を行っています。具体的には、自己理解、職業理解、啓発的経験、カウンセリング、方策の実行、フォローアップなど、ガイダンスとカウンセリングを一体化して「仕事を通じて、個人の人生や生き方そのもの」についてカウンセリングを行っています。

私は、「働く人の予防・衛生に関与し異常傾向や問題を持つ人でさえもその正常性に注目し、その個人が複雑な世界で遭遇する事態に効果的に対処し、自分の道を見いだして行く」ことを支援するのが基本で、「いつでも、どこでも、誰でもが学べ、やり直しのできる社会」を実現することにつながる「企業は人なり」「現場による改善」を目指し、キャリアコンサルタントとしての仕事をしています。

このキャリアコンサルタントの面談を通じて、面談者本人または面談者の上司・部下にとても自分の生き方に苦しまれている方がいることが良くわかります。

面談から感じた介護現場での悩み多い人たちの深層心理をいくつかの引用から深めていきます。


    引 用 Ⅰ                                                                                             
永谷 研一 「自己肯定感」が低い人に現れる"残念な症状".東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/155966

自己肯定感が低いときに現れる3つの傾向があります。

1.「不安」が先に立ち、人からの感謝の言葉を受け止められない
人に何かしてあげたときに「ありがとう」と言わたり、「ニコッ」とされたり、お礼の品をもらったりして感謝の気持ちを表されることがあります。ところがそれを素直に受け止められず「うれしい」「幸せ」という感情が湧きあがりません。逆に「不安」になり、「何か裏があるのではないか」と勘ぐったりします。

2.忠告されたときに「怒り」が湧き上がる
人から注意されたり忠告されたりしたとき、自分が非難されたり、否定されたと感じて、「怒り」が湧き上がります。相手は自分のことを思って言ってくれているのに、それをアドバイスとして受け止められず、敵視してしまうのです。

3.「恐れ」から、失敗をしたときつい言い訳をしてしまう
失敗をしたとき、それを素直に受け止めることができません。また迷惑をかけたとき謝ることができません。そしてつい言い訳をしてしまいます。また誰かに責任転嫁をしてしまいます。「恐れ」からくるものですが、素直になれず自分を正当化しようとするのです。
このときの口癖は
  • 「時間がなかった」
  • 「忙しかった」
  • 「私は悪くない」
が典型的なものです。
どうでしょうか。みなさんも当てはまることがあるでしょうか。

「不安」「怒り」「恐れ」

自己肯定感が低いときには、このような「マイナス感情」がコントロールできないという特徴があります。では、なぜそんな状態に陥ってしまうのでしょうか。

私たちの心の奥には純粋な心が眠っています。まるで子どものようなピュアな心です。これは、純粋すぎて傷つきやすい本音の感情です。よって私たちは傷つかないように心にフタをします。心理学ではペルソナ(役割性格)というものですが、私たちを守っているものとも言えます。ところが、このフタが私たちの成長を阻害しているとしたら驚くでしょうか。

フタを閉めたままだと「取り繕う」ような思考になります。固定観念にとらわれた考えをします。「私はこういうタイプ」などという言い方はその典型です。自分を決めつけることで、傷つかないようにしているのです。2016年にヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の中で、主人公の津崎平匡が「プロの独身」を自認していたのも同じようなことです。

こうした思考に陥っていると、日頃から自分の本音とあまり向き合うことがありませんから、自分の感情の扱いがとても苦手になります。そして、ちょっとしたことで「不安」「怒り」「恐れ」が増幅され、過敏に反応してしまうのです。

                                                                                                                          

いかがでしょうか。この様な方はいませんか?

別の引用を紹介します。
皆様の施設には、いろいろな職員がいると思います。その職員がどういうタイプなのか、また、どういう人なのかを知る事がとても重要です。




    引 用 Ⅱ                                                                                             
自己肯定感".モチベーションアップの法則
 https://www.motivation-up.com/motivation/selfesteem.html


自己肯定感が低い人の典型的な4種類の行動パターンとその深層心理

「自己肯定感」とは、その名の通り「自己」を「肯定」する感情のことです。
実用日本語表現辞典には次のようにあります。

自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉。

この自己肯定感は、物事に取り組む意欲(モチベーション)や幸福度にも大きな影響を与えます。
自己肯定感が高ければ、人生における様々な出来事に対して積極的に取り組んでいくことができますし、幸福度も高まっていきます。しかし、自己肯定感が低いと意欲の低下だけでなく、自分で自分を苦しめるような考え方にとらわれてしまい、幸福度もなかなか高まらないといったことも起こります。

ここでは、そんな自己肯定感についてさらに深掘りしていきます。


自己肯定感が低い人の特徴

さて、自己肯定感の低い人の特徴を見ていきましょう。
ここでは、「行動派?受身派?」「内にこもるタイプ?外に求めるタイプ?」という2軸で、自己肯定感の低い人を4つのタイプに分類。それぞれのタイプの特徴的な行動パターンを示しました。
これらは全て自己肯定感の低さから来る行動です。



1.逃避タイプ(内にこもる行動派)


自分にとって都合の悪いことは、あたかも興味ないふりをします。気軽な楽しさばかり追求したり、いわゆる「良い人」を装うことも…。ただし、それらは自己肯定感の欠如を覆い隠すための鎧であり、自己肯定感を欠きながら生きるために身につけた戦略です。

また、このタイプの人は何かに取り組む時に本気を出すことを無意識的にためらうことがあります。本気を出したにもかかわらず上手くいかないという壁にぶつかることを回避しようとする心の動きで、本気を出さなければ「本気さえ出せば上手く行く」という可能性を持ち続けることができるからです。



2.あきらめタイプ(内にこもる受身派)

自己肯定感の低さから殻に閉じこもっているような状態です。失敗を過度に恐れています。諦めに支配され主体性を手放し、人生をコントロールしているのは言い訳ということになってしまっています。

この心理状態がさらに発展すると、深層心理で不幸な自分に酔ってしまい、「悲劇のヒロイン」であることを自ら求めるようなケースも…。



3.比較優位タイプ(外に求める行動派)
 

「自分には価値がある」と思いたい願望が強く、それを証明しようと躍起になっています。自己肯定感の低さを、人と比較して自分が優れていると感じることで埋め合わせようとします。
時に攻撃的で自信満々のように見えますが、その裏には自己肯定感の低さが潜んでいます。



4.くださいタイプ(外に求める受身派)
 

人から何かを与えてもらうこと、依存することで自己肯定感の低さを埋め合わせようとします。このタイプの人の関心は他者に向けられているように見えて、実は自分に向いています。他者の目に映った自分の姿を他者の中に見ているのです。


漂う息苦しさ
いずれのタイプの行動も、そこには息苦しさが漂っています。行動の裏に、満たされない自己肯定感を満たそうとする動機が隠れているからです。

                                                                                                                          





    引 用 Ⅲ                                                                                            
平気で嘘をつく部下の心理".デキる部下育てマニュアル.
http://dekirubuka.com/?p=3207



平気で嘘をつく部下の心理
世の中には、平気で嘘をつく人がいらっしゃいます。
自分でも嘘をついていることに気が付いていないのではないかと感じるほど自然に、悪気なく嘘をつくのです。
なぜ、そのようなことができるのでしょうか?
嘘をつく裏側には、どのような心理があるのでしょうか?


「虚栄心」と「劣等感」による嘘
嘘をつく裏側にある心理・・・それは、「虚栄心」と「劣等感」です。

「わからない」「できない」「自信がない」をバレたくない
自分を守るためにウソをつく!

虚栄心(自分を実質以上に見せよたいと見栄を張りたがる心)・劣等感は、強弱はありますが、誰にでもあるものです。
しかし、虚栄心・劣等感が強すぎると「傷つきたくない!」と過剰に自分を守ろうとし、嘘をつくのです。

平気で嘘をつく人は、たとえ人を傷つけても、のちのち言い訳することになっても、その場しのぎの自己中心的な嘘をつかずにはいられないのです。

けれど、それでは人間関係はうまくいきません。
その場しのぎの嘘が上手く通り、表面上は人がついてきているようにみえたとしても、心の底からの信頼関係が得られないのです。


嘘をつかなくてもよくなるには
嘘をつかなくても大丈夫になるためには、虚栄心・劣等感を和らげることが必要です。
虚栄心・劣等感は、自分への自信のなさからおこります。
自信をつけるためには、まず自己肯定感を高めること

                                                                                                                          




     引 用 Ⅳ                                                                                            

 ニュース3面鏡10/10記事(清談社 真島加代)"DIAMOND online
 https://diamond.jp/articles/-/181706


1.ケアレスミスを連発する人の自己肯定感が低い理由

若者だけでなく、中高年でも自己肯定感の低さが問題となるケースは多くある。些細なミスで部下を怒鳴りつける上司も、実は自己肯定感が低いのだ。

「自己肯定感は、読んで字のごとく自分自身の存在を受け入れることを指します。心理学用語として『I am OK』と表現されることもありますね」(そう話すのは、全国心理業連合会公認上級プロフェッショナル心理カウンセラーの浮世満理子氏)

「自己肯定感が低いと聞くと『自信がなくておとなしい人』をイメージしがちですが、それはあくまで個人の性格なので、あまり関係ありません。実際には、プライドが高くて失敗を恐れるのが自己肯定感の低い人の特徴です」

若者の特権とも言える「失敗からの成長」や「挑戦すること」を放棄している若い人が身近にいれば、その人は自己肯定感が低い可能性がある。

自己肯定感の低さが招く特徴はほかにもある。

「見落としがちなのがミスの多さです。何度も同じようなミスをする、誤字脱字などケアレスミスを何度もする人は、“自分が仕事で成功するイメージ”を抱けていない可能性が高いです。『自分はミスをするのが当たり前』と、無意識のうちに思い込んでいるため、ミスを防ぐためのチェックをせずに何度も同じ失敗をする、という特徴があるんです」

なかには、ミスを指摘されると「ミスをする自分に仕事を任せるほうが悪い」と、開き直って言い訳をするというケースもある。自己肯定感の低さと、仕事のミスが深く関わっている。


2.自己肯定感の醸成には親との関係性が影響する

チャレンジ精神の欠如や、繰り返されるミス…なぜ彼らの自己肯定感は低くなってしまったのだろうか。

「自己肯定感は成長する過程で向上していくはずなのですが、誰もが十分に高められるとはかぎりません。たとえば、親に『あなたはできない子』と言われて育てられれば、自己肯定感は低いまま大人になります。また、今の親世代は条件付きの『OK』を出して子育てをする傾向があり、子どもの自己肯定感が上がりにくい環境を作っているケースがあります」

たとえば「お母さんは、勉強ができる○○くんが好きだよ」といった発言は、子どものすべてを受け入れているわけでなく「勉強ができる」という条件付きで子どもの存在を肯定しているにすぎない。そして、条件付きで育てられた子どもは「勉強ができなくなったら親に愛されなくなる」というプレッシャーの中で育つことになる。

「本来の自己肯定感は、条件に基づかず、自分の存在そのものを素晴らしいと認識することです。自分を受け入れるためには、まず身近にいる親が子どもの存在を無条件に認めてあげる必要があります。しかし、条件付きで親に受け入れられた子どもは、条件が満たせなくなれば価値がないと考え、自分を肯定できないまま大人になってしまうのです」

自己肯定感には、親の育て方や価値観がダイレクトに影響するのだ。そのため、近年の子育てシーンでは“自己肯定感”がキーワードとなっているという。また、自己肯定感の低さに悩まされるのは若手社員だけではない、と浮世氏。

「上司の立場にありながら、余裕がない人も自己肯定感が低いといえます。たとえば、部下がミスをした際に、『バカにされた』と勝手に感じて部下を大声で怒鳴りつける上司がいます。本来、部下の失敗と上司は何の関係もないのですが、上司自身の自己肯定感が低いために、バカにされたなどと曲解してしまうのです」

上司に強く叱られた部下の自己肯定感はさらに下降し、職場全体の雰囲気も悪化する。自己肯定感の低さが伝染病のように蔓延する、まさに地獄絵図だ。こうした状況からも「自己肯定感が低いことにメリットはない」と浮世氏は指摘する。

「若手にチャレンジ精神がない企業は成長が見込めない上、怒鳴る上司がいれば職場やチームの士気も下がります。生産性も下がり、企業にとってデメリットでしかありません」


3.自己肯定感の低い部下でも声かけ次第で育てられる

親との関係性に問題があると聞くと、「もう一生直らないのか」と思いがちだが、浮世氏は「大人になっても自己肯定感を上げることはできる」と話す。特に自己肯定感の低い部下を持っている上司には、できることがある。

「上司の立場で部下を怒鳴らないのは大前提。怒鳴り声は、叱られる本人だけでなくその場にいる人すべてのストレスになり、チーム全体の力を弱めます。部下のミスは冷静に指摘し『このミスは、あなたらしくない』という言葉を付け加えましょう。特にプライドが高くて自己肯定感が低いタイプの人は、強く叱ると開き直る可能性があるので『上司としてあなたを認めている』『あなたならできるはず』という承認の言葉を加えるだけでも、印象は変わります」

もちろん、部下の仕事が成功したときは「すごくよくできていて、助かったよ」などのお礼の言葉をしっかり伝える必要がある。承認の言葉を受けた相手は、周囲から認められていることを感じ、それと同時に達成感を得る。そうすることで自己肯定感を引き上げられるという。

「ただ甘やかすだけでは自己肯定感は上がりません。自分自身の仕事ぶりに達成感を得たときに、はじめて自己肯定感が上がるのです。下を育てる立場にあるリーダーは、積極的に承認の言葉を使っていけば、部下はもちろんチーム全体の力を底上げすることにつながるはずです」

浮世氏によれば、一人ひとりの自己肯定感が高いチームは、生産性が上がり、いざというときに「勝ち」を取りに行くだけのタフさがあるという。できる、できないは「能力の問題」「頭脳の問題」と単純化される傾向があるが、メンタル面のテーマである「自己肯定感」も大きく関係してくるのだ。部下の自己肯定感の向上にまで目を向けられているリーダーは、一体どれくらいいるのだろうか。

                                                                                                                         


以上、
いくつかの引用から「対応の難しい職員」の深層心理を学んでいただきました。これらの職員との関わり方はとても難しいと思いますが、心の弱い人たちでもあります。

咎めるだけではなく、いろいろなアプローチが必要ですね。








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