前回のブログでは、SL理論『新人育成版「S1指示」「S2コーチ」「S3支援」「S4委任」』での成長過程を完了した段階で、新人を概念図「一人前」に成長することが十分に可能だと書きました。
前回のエッセイで「一人前」に なぜなれないか! が分かったとも書きました。
今回のエッセイでは、この「一人前」に なぜなれないか! の紐解きをします。
さて、なぜなれないか!は、成長するための成長過程がきちんとできていないからです。
成長過程が不足しているパターンは、大きく下記3通りと思われます。
1.指導期間が12か月の場合(研修日誌、技術評価、1,3,6,12か月面談等あり)
2.指導期間が6ヶ月の場合(研修日誌、技術評価、1,3,6,12か月面談等あり)
上記3パターンを簡単に見てもらいました。
いかがでしょうか。
いろいろな意見があると思います。
「何も、1年目で一人前になる必要もないし、なれないのは当たり前だよ」
「そんなに丁寧に新人育成なんかしている余裕がない」
「いろいろな新人がいる。1人でしっかり一人前になる子もいれば、全然ダメな子もいる」
「新人指導終わった後、定期的な面談もしているし、放置なんかしていない」
「うちは、新人指導がしっかりできている。何もわからない理論でどうだこうだはない」
等々・・・。
まるで「自社の新人指導ができていない!」という指摘的な表現かもしれません。
気にさわりましたら申し訳ありません。
法人・施設では、それぞれの工夫があると思います。
「うちは、新人が育っているよ」
「新人育成の仕組みができているよ」
介護社会全体の底上げのためにも、意見交換できる機会を頂けますと幸いです。
さて、たしかに1年目で「一人前」になってもらう必要はないかもしれません。
が、私が言いたいのは、それでは「一人前」にするために次の仕掛けがありますか?
ということです。
実は、その仕掛け自体が少ないのではないでしょうか。
2年目研修、ステップアップ研修、中堅階層別研修、その他外部研修等の機会はあります
が、余ほど、自己意識が高い方以外、「一人前」になることができるかどうかです。だから、介護の職場に「一人前」の職員が少ないのではないでしょうか。
このエッセイでは、「一人前」に なぜなれないか! を紐解くことでした。
「一人前」になれない理由は、
1.新人育成の時に、しっかりした成長過程を踏んでいない。(環境の課題)
2.指導する職員の能力が足りていない。(指導者の課題)
3.指導者が育っていなく、その指導者が新人育成をする。(負のスパイラルの課題)
しかし、上記3つの課題をクリアしていくことで
『新人は、指導者から適正な育成を受けることで、不安で自信がなかった事が、自信を高め、自分で考える力をつけ、自主的な活動に繋がる能力を持つことができる』
つまり、「ひとりだち」から「一人前」になるのです。
新人は、それぞれの資質素養を持っています。1年目で「一人前」になれる人もいますし、時間がかかる新人もいます。しかし、適正な成長過程を踏んでいくことは、1年目の新人育成が終了した段階で、「一人前」の職員に少しでも近づくことになります。
「一人前」の職員を作るためには、指導者の育成と新人の成長過程の見直しが必要と考えます。
次回のブログでは、「一人前」を作る課題からの学びを考えていきます。
0 コメント:
コメントを投稿