人手不足が大きな一つの要因と思われますが、「育成の困難度が高い新人」が以前より職場に多くなってきていると実感されていませんでしょうか。下記は、新人職員育成100日プログラムとリーダー研修から、新人育成の具体的な困難事例をまとめたものです。
- 人間関係をうまく築けない
- 決められたこと以外のイレギュラーなことが苦手
- 暗黙のルールが理解できず、集団での共同作業に困難を示す
- 周りの人が忙しくしている時や、助けを必要としている状況に気づかず、手伝うことができない
- 空気が読めない
- 指示をされないと動かない
- 自分の仕事が終わったら他のことは何もしようとしない
- 必ず同じ順番での作業にこだわったりと、特定のことへの執着が強い
- 何度も教えてもできない。前に教えたことを覚えていない
- 人の話をきかない
- ケアレスミスが多い
- 気が散りやすくて、物事に集中することが苦手
- やりたいことや好きなことに対して積極的に取り組めるが、集中しすぎてしまう
- 物をどこかに置き忘れたり、物をなくしたりすることが頻繁にある
- 片付けや整理整頓が苦手
- 約束や時間を守れない
- 物事の優先順位が分からない
- 落ち着いてじっと座っていることが苦手
- 衝動的に不適切な発言や行動をする
- 忘れ物や物をなくすことが多く、じっとしていられず落ち着きがない
- ルールを守ることが苦手で順番を守らない
- 大声を出すなど衝動的に行動をすることがある
- ちょっと考えられない、「えっ!?」と思う事を平然として行う
- 1~23の事例の複合
弊社の新人職員育成100日プログラム1600組の新人と指導者面談の事例から、新人指導において前記1~24項目のいずれかが新人に該当することで、新人の育成に大きな困難が生じ、新人および指導者、双方共に悩まれているケースが年々増えてきている事実があります。
これら「育成の困難度の高い新人」に対する対応は、職員確保と人材育成の施設運営として、管理者(施設長)に大きな課題としてのしかかってきているのも現実で、管理者の皆様は本当に大変なことと思います。
「育成の困難度の高い新人」に対して、多くの指導者は、一生懸命に新人の育成をしようと頑張っています。しかし、「なんで、前に教えたのにできないのだろう」「なんで、ちょっとしたことなのに自分で動けないのだろう」「どうしたら、覚えてもらえるだろう」と一人で悩み、悩んでいるうち教える方も気持ちが入ることで、言い方が厳しくなり、新人は強く言われたことで、より苦手意識を持つなどの育成の悪循環になっていきます。
元々、指導者に新人指導の力量があるかというと、ほとんどの指導者には教える力がないのが現状です。そこに「育成の困難度の高い新人」に対して、指導させること自体が、より一層と話を難しくしているのです。
前記1~24項目のうち、とても重く深く難しい事例はありますが、経験上、半数以上は、関わり方次第で成長が期待されます。その関わり方の基本は傾聴です。聴き出し方です。じっくり話を聴くことです。「育成の困難度の高い新人」は、自分の話を聴いて欲しいのです。この技術が指導者には無いのです。だから、どんどん話を難しくしていくのです。
介護の社会、利用者のアセスメントは良くできるのですが、職員のアセスメントが得意ではないようですね。職場のことなのか、技術的なことなのか、職員関係のことなのか、家庭内のことなのか、プライベートのことなのか、他のことなのか、上手く聴きだすことで、絡み合った紐を一つひとつ、紐といていくことが必要です。
傾聴に伴い、「育成の困難度の高い新人」への関わり方など、職場での対応を指導者だけでなく、職場のリーダーを含めてチームで考えていく仕組みを作っていく必要があります。
なかなか大変なことですが、指導者だけに負担をかけない様にすることが重要な管理者の仕事ではないでしょうか。現実、新人職員育成100日プログラムで「育成の困難度の高い新人」の事例は数多くありますが、新人職員育成100日プログラムのきっかけで介護事業者が取組み、1年後、2年後に「良くなったよ」「大化けしたよ!」「夜勤入っているよ」などの声を聞かせてもらっています。
また、とても重く深く難しい事例の場合、いろいろと関わる中で、何が本人にとって良いことなのか、真剣に考え、本人や家族そして職員と話をしていくことも大切です。
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