「一人前」の介護職員を作ろうではないですか!③ 「一人前」を作る課題から学ぶ!


介護新人育成の現況の関わりを、SL理論で考えると大きくは下記3通になります。



前回のエッセイで、上記のタイプを考察し「一人前」になれない理由は、


1.新人育成の時に、しっかりした成長過程を踏んでいない(育成環境の課題) 2.指導する職員の能力が足りていない(指導者の課題)
3.指導者が育っていなく、その指導者が新人育成をする(負のスパイラルの課題)


 成長過程を踏んでいない、指導する職員の能力が足りていないと言い切る根拠は、
 弊社、新人職員育成100日プログラム(以下、100日プログラムとします)1600組の実践事例と、リーダー研修等のノウハウの蓄積からです。




 前回のブログでは、新人育成の時に「一人前」への仕掛けを十分にしておかない事から、中々「一人前」の職員が育たない、絶対数が少ないと書かせていただきました。



 1.「負のスパイラル」について

 下図は、100日プログラムの概念です
  「一人前」でない指導者は、「一人前」の新人を育てられないという考え方です




 この概念図は、
 「一人前」でない指導者が、新人育成を上手くできないと、新人も「一人前」の成長過程に乗れなく、数年後、「一人前」になれないままの指導者として新人を育ててしまう。という負のスパイラルが発生するという考え方を表しています。



 .「指導者の課題:能力が足りていない」について

下図は、100日プログラムの実施スケージュルです
100日プログラムは、開始日から10日~20日の区切りで、新人の成長と指導者の育成を支援します。
50日、90日目では、第3者から客観的視点で指導支援します。





100日プログラムは、指導者が、新人の成長状況に合せて「ティーチング」「メンタリング」「コーチング」の支援を、どの様に、どの程度行っているのかを、具体的に50日、90日目の第三者面談で聞き取り、確認、承認をし、必要に応じて指導支援をします。100日プログラムは、「ティーチング」「メンタリング」「コーチング」のバロメーター的存在です。


 そのバロメーター的な存在から、言葉がキツイかもしれませんが、あえて言わせてもらいます。

 新人育成の指導者は、「ティーチング」はなんとかできていますが、
 「メンタリング」「コーチング」は、ほとんどできていない!」のが現状です。

 皆様の法人・施設では、研修日誌、技術評価などを使って新人指導をされていますが、
 「メンタリング」「コーチング」ができていますでしょうか?

 SL理論での3パターンで、
 支援的行動の絶対量が少ないのは「メンタリング」「コーチング」ができていなく、
 「新人の不安や悩みが取れていない」「技術や知識の深まりができていない」のです。





 指導者や管理者から良く聞く言葉です。
 「新人は、何を聞いても大丈夫しか言わないので、本当にわかっているかわからない」
 これって、聴き方(聞くではなく)、引き出し方が上手くできていないのではないでしょうか。
 わずか一事例ですが、メンタリング、コーチングが日常できていないことがよくわかりますね。



3.「育成環境の課題:成長過程を踏んでいない」について

この課題については、法人・施設がどのように考えるかが大きく影響します。
弊社が考える「ひとりだち」から「一人前」にする必要を感じているか、いないかです。


「一人前」の必要性を感じ、「一人前」を新たに作るということであれば、それぞれの今の新人育成の成長過程を見直しする必要があります。具体的には理想の新人育成の工程SL理論『新人育成版「S1指示」「S2コーチ」「S3支援」「S4委任」』の成長過程の取組みを行うことをお勧めします。


理想の新人育成の工程 指導期間1


下記の14は、SL理論「新人育成版」での具体的な関わりです







育成環境は、前ページP4P5の新人育成版「S1指示」「S2コーチ」「S3支援」「S4委任」を整備することで、新人は「ひとりだち」から「一人前」への成長過程を踏み、「一人前」への成長が期待されます。


実は、この新人職員の育成環境の整備は、
新人育成を通して、指導者も育成され、指導者も「一人前」に成長することが期待されます。つまり「指導者の課題:指導者の能力が足りていない」と「負のスパイラル」も同時に解消してくれるのです。


次回は、新人の状況に合わせた指導と、チーム育成について書きます。 
 
 
 
 

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