外国人技能実習生について考える


先日、お世話になっている施設長から「谷さん、ある会合で外国人技能実習生の話題があり、どの施設長も人の確保は厳しいけど、外国人は考えていないと言っていましたよ!」とのお話しがありました。私なりに「そうでしょうね」と思う気持ちがありました。

それは日本介護福祉会が昨年12月から今年の2月にかけて全国で行った「平成29年度介護職種の技能実習生の日本語学習等支援事業」の説明会に参加すれば、介護を教えることよりも日本語を教える煩雑さ(1日の半分を日本語教育にあてる、日本語教育を介護事業所が行うなど)を感じ、かつ日本語能力試験N3の合否のリスクがある介護技能実習生の導入は無理だと思う気持ちが出ても当然だと思っていたからです。

介護技能実習生の入国条件は日本語能力N4レベル以上、入国後10ヶ月目にはN3レベルの合格が必須条件ですが、介護事業所で働きながらのN3レベルの合格は、プロの日本語講師でも難しいと言われています。その難しい育成を介護事業所が行う説明でした。

そのためか今、N3レベルの取得の撤廃の議論が出ているとも耳にしています。

「言葉が上手く話せなくてもいい、言ったことさえちゃんとしてもらえればよい」と介護業務のパーツまたは補助的な作業でよしとする関係者の方の意見のようです。この場合、最低限のN4での入国で、N3のハードルを撤廃してもらえばありがたいのでしょうね。

さて、皆さまはどのようなお考えでしょうか。

介護技能実習生を導入するとするならば「介護はコミュケーションが基本、言葉を理解した中で仕事をしてほしい」であり、かつ業務の一連の流れがわかり、早く独り立ちして仕事をしてもらう事を期待されるのではないでしょうか。

この様な人材を期待するならば、N4レベルの入国でなく、N3レベルを取得してからの入国が、施設の指導者や技能実習生ともに介護業務の習得に集中することができ、介護事業所が期待する戦力化をより早く図れると思います。要は、なんのために介護技能実習生制度を導入するかです。N3レベルの取得はその道のプロに任す発想が必要です

国は、「働く女性の確保」「働くシニアの確保」「外国労働者の確保」「生産性の向上」と人材確保の数字上の帳尻合わせをしていますが、実際は、介護だけでなく全産業で「人はいない、足りない」とグラフや数字での根拠を前のブログで示していました。

「人がいないから外国人技能実習生の導入」ではなく、外国人の導入を考える前に、人材の育成、そして法人施設の体制の見直し等やるべき事がたくさんあります。私のブログでもその事を書き続けさせていただいています。

現実として本当に人手が足りなくなり身動きできなくなってからの外国人介護技能実習生の導入は、より大変厳しい状況になるのではとの思いで、外国人介護技能実習生の導入がいつでもできる様なサポート体制の準備をピーエムシーは行っています。

その準備の一環としてピーエムシーは、N3レベルで入国する介護実習生を、1年で「自ら考え、できる」人材育成ができる『施設のOJTをサポートするパスポートプログラム』を開発しました。

※追記
教育経費の考え方
N3の教育費を含めた技能実習生経費(給与+社会保険+監理団体経費+教育費+昇給+賞与+他経費)が、日本人の確保経費を含めた額(人件費+通勤費+諸手当+賞与+昇給+社会保険+確保経費等他)と同等以下になれば検討するに値するかと思います。大抵は技能実習生経費が安くなるかと思います。特に派遣を入れている場合は、よりその効果が出ます。そして1年で戦力化できる事を考えての検討が必要と思います。

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